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白熱講義! 日本国憲法改正 (ベスト新書 405)

小林 節

ベスト新書 / ベストセラーズ

2013年4月1日発売

楽天ブックスAmazon

新書嫁レビュー

憲法は国民を縛るルールだと思っていたら、話は真逆だった

2026-07-05

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憲法とは、国民が守るべき決まりごとだと信じていた

法律はみんなが守るべきルール。憲法はその一番えらいルール。だから憲法も、国民である私たちが従うべき決まりごとなのだろう。私はずっと、漠然とそう思いこんでいました。だからニュースで憲法改正が議論されていても、自分とは遠い、お堅い人たちの話だと感じて、どこか他人事のように眺めていたのです。けれど心のどこかで、主権は国民にあると教わったはずなのに、その国民が憲法に縛られるというのは妙だな、という小さな引っかかりも残っていました。その違和感がただの勘違いではなかったと教えてくれたのが、この一冊でした。

小林節著『白熱講義! 日本国憲法改正』はこちらから読めます。

憲法が縛るのは国民ではなく、権力者の側だった

本書が突きつけてくるのは、立憲主義というたった一つの原理です。著者によれば、憲法とは主権者である国民が、権力を託した政治家や公務員を縛り、その権力の濫用を防ぐための法だといいます。つまり憲法に従わなければならないのは、私たち国民ではなく、国家権力の側なのです。国家は個人の基本的人権を保障するための機関であり、その国家を国民が手元で正しく使いこなすための手引書こそが憲法だ、という説明に、長年の引っかかりが音を立ててほどけていきました。

興味深いのは、著者がこの本を書いた立場です。彼は三十年来の改憲論者でありながら、当時示された自民党の改憲草案には強く異を唱えています。たとえば「表現の自由を侵してはならない」という現行の書き方が、草案では「表現の自由は保障する」へと変わる。本書では、この一語の差が、国家が人権を侵さないという原則を、国家が人権の範囲を決めるという発想へとひっくり返してしまうと指摘されます。家庭を大切にする義務を憲法に書きこむと、見方によっては離婚が法に背く行いになりかねない、といった具体的な懸念にも踏みこまれます。理想ばかりを掲げる平和主義の限界や、九条をめぐる自衛権の考え方など、賛否の分かれる論点も冷静に並べられていきますので、続きはぜひ本書で確かめてみてください。

ニュースの見え方が、根っこから変わった

この本を読む前の私は、改憲の議論を「賛成か反対か」という単純な二択でしか見ていませんでした。読んだあとは、ある条文の改正案が、権力を縛る方向に働くのか、それとも権力の手かせを緩める方向に働くのか、という物差しで眺めるようになりました。テレビで政治家が憲法を語る場面に出くわすと、以前なら聞き流していたのに、今は「これは権力者が自分で自分のルールを書き換えようとしている話なのか」と立ち止まって考えるようになっています。ある条文の主語が「国は」なのか「国民は」なのか、その一語を確かめるだけで、誰を縛ろうとしているのかが見えてくる。新聞のおなじみの見出しを読むときの目線が、根本から変わりました。憲法が遠いお堅い話ではなく、自分が権力者に持たせている手綱の話なのだと分かったとき、ようやく自分事として地面に足がついた気がしました。

知らないままだったら、手綱を握っていることにも気づけなかった

もしこの本に出会わなければ、私は今も憲法を「上から押しつけられた決まりごと」だと誤解したまま、自分が本当は権力を縛る側に立っていることに気づけなかったはずです。著者の小林節さんは慶應義塾大学名誉教授で、ハーバード大学ロー・スクールの客員研究員も務めた憲法学者です。改憲論者として三十年議論を重ねてきたからこそ、改憲に賛成の人にも反対の人にも筋の通る論理で語りかけてくる。その姿勢に、深く納得させられました。憲法を遠い話だと感じている人ほど、一度この視点に触れてみてほしいと思います。

小林節著『白熱講義! 日本国憲法改正』はこちらから読めます。

内容紹介

国防軍、天皇、首相公選制、愛国心、立憲主義等、国民生活に直結する憲法改正の諸問題を気鋭の改憲派・憲法学者が語り尽くす。

出版社による紹介文です(楽天ブックスの書誌情報より)。

書誌情報

書名
白熱講義! 日本国憲法改正 (ベスト新書 405)
著者
小林 節
レーベル
ベスト新書
出版社
ベストセラーズ
発売日
2013年4月1日
ISBN
4584124051