新書嫁レビュー
物価高に「節約」で立ち向かうのは、実は逆効果だったのかもしれない
2026-08-17
物価高にはとにかく節約で耐えるしかない、と思い込んでいた
ものの値段が上がり続け、けれど給料はほとんど増えない。この状況に対して自分にできることといえば、無駄遣いを減らし、財布のひもを締め、ひたすら耐えることくらいだと思っていました。家計簿を見つめてため息をつき、来月はもっと切り詰めようと自分に言い聞かせる。そんな受け身の防御を、当たり前の対処法だと信じていたのです。けれど、この前提を抱えたままだと、どれだけ頑張っても先が見えてきません。出費を削る努力をしても、暮らしが楽になる実感はなく、ただじわじわ消耗していく感覚だけが残るのです。加谷珪一さんの『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来 物価高、低賃金に打ち勝つ秘策』は、その「耐えるしかない」という構えそのものに疑問を投げかけてきました。
加谷珪一著『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来 物価高、低賃金に打ち勝つ秘策』はこちらから読めます。
物価高と低賃金を、個人の頑張りではなく仕組みから捉え直す
本書がまず解きほぐすのは、なぜ物価が上がり、なぜ賃金が上がらないのか、という構造の部分です。著者は、これを家計の努力不足の問題として片づけず、日本経済全体の仕組みの中に位置づけて説明していきます。物価高はただの逆風ではなく、対応の仕方によって意味が変わってくる現象であること。賃金が上がらない背景には個人の頑張りでは動かしようのない要因があること。そうした全体像を踏まえたうえで、自分、家族、そして国という三つの層それぞれで、何を考え、どう備えるべきかが論じられていきます。節約という守りの一手だけでなく、より能動的な向き合い方があるのではないか、という視点が示されるのです。物価が上がるという現象は、見方を変えれば、これまで当たり前だった暮らしの前提を一度組み直す機会でもある。そう捉え直すだけで、同じニュースがまるで違って見えてきます。本書では、具体的な家計や資産の考え方についても踏み込んで語られています。続きはぜひ本書で確かめてみてください。
「耐える」から「考える」へ、立ち位置が変わった
この本を読んでから、お金の話への向き合い方が変わりました。以前は値上げのニュースを見るたびに、また節約しなきゃ、と反射的に身構えるだけでした。けれど今は、この値上がりはどういう仕組みで起きているのか、自分が打てる手は本当に我慢だけなのか、と一度立ち止まって考えるようになったのです。スーパーで値札を見てため息をつく回数が減り、その代わりに、家計全体をどう設計するかという長い目線で物事を見られるようになりました。受け身で消耗する感覚が、自分で舵を取っている感覚へと少しずつ変わっていったのです。
知らなければ、ただ耐えるだけで消耗し続けていた
この本に出会わなければ、私は物価高をただの天災のように受け止め、節約という守りだけで消耗し続けていたでしょう。著者の加谷珪一さんは経済評論家で、日経BP社の記者を経て、投資ファンドの運用会社で企業評価や投資業務に携わってきた経歴を持ちます。お金が実際にどう動くかを現場で見てきた書き手だからこそ、抽象論ではなく、自分や家族の暮らしに引き寄せた視点で語れるのだと感じます。漠然とした不安に耐えるのではなく、構造を知ったうえで備える。その違いを教えてくれる一冊です。
加谷珪一著『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来 物価高、低賃金に打ち勝つ秘策』はこちらから読めます。
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内容紹介
付け焼き刃のバラマキ政策に流されない!
生活の攻め【資産形成】と守り【年金理解】を確立せよ
社会保障、税、手取りの仕組みがわかれば、豊かな生活は手に入る
賃金停滞と米などの物価高騰の二重苦に晒される私たちの生活。財源なき減税論が政争の具とされ、国民も「今さえよければ」という一種の思考停止状態に陥っている。
日本経済はなぜツケを後回しにし続ける袋小路から抜け出せないのか?
年金や税、賃金の制度を変えることは簡単ではない。しかし、その仕組みを正しく理解することで、減税に頼らず手取りを増やす糸口は見出せる。その時は今しかない。
データに基づいた分析に加え、著者自身の経験則から導いた資産形成方法も明らかにした、国が、個人が生き残るための緊急提言。
出版社による紹介文です(楽天ブックスの書誌情報より)。
書誌情報
- 書名
- 本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来 物価高、低賃金に打ち勝つ秘策 (幻冬舎新書)
- 著者
- 加谷 珪一
- レーベル
- 幻冬舎新書
- 出版社
- 幻冬舎
- 発売日
- 2025年7月30日
- ISBN
- 9784344987777