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英雄たちの装備、武器、戦略 三国志武器事典 (じっぴコンパクト新書)

水野 大樹

じっぴコンパクト新書 / 実業之日本社

2017年7月1日発売

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新書嫁レビュー

関羽の青龍刀、あの重さで本当に振り回せたのか

2026-06-11

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三国志の武器は、ただの「かっこいい小道具」だと思っていた

三国志の英雄たちが手にする武器を、私はずっと物語を彩る小道具のようなものだと思っていました。関羽の青龍偃月刀、張飛の蛇矛――名前は知っているし、ゲームや漫画で見慣れている。でも、それがどんな仕組みで、戦場で実際にどう使われたのかと聞かれると、何も答えられない自分がいました。好きなはずなのに、武器そのものについては驚くほど無知だった。その空白は、三国志の話で盛り上がるたびに、どこか物足りなさとして残っていたのです。水野大樹さんの『三国志武器事典』は、その物足りなさを埋めてくれる一冊でした。

水野大樹著『英雄たちの装備、武器、戦略 三国志武器事典』はこちらから読めます。

名前だけ知っていた武器に、図解で輪郭が与えられる

本書が示すのは、英雄たちの武器や装備を、図解とエピソードを通して具体的にたどっていく視点です。斬る・突く・打つといった武器の種類から、身を守る防具、移動のための装備、水上で使う船、さらには城を攻め守るための兵器まで、全70のアイテムが取り上げられています。たとえば諸葛亮が考案したと伝えられる輸送用の仕掛け「流馬」のように、物語のなかでさらりと触れられるだけの道具にも、一つひとつ図解で光が当てられていく。名前だけ覚えていたものが、形を持って立ち上がってくる感覚は新鮮です。関羽の青龍偃月刀のように、物語では豪快に振り回される武器も、あらためてその姿を眺めると、当時の戦場でどう扱われたのかという素朴な疑問が次々と湧いてきます。なお本書は、史実として確認された武器と『三国志演義』など物語に由来するものが入り混じって紹介されているため、すべてを当時の史実そのままと受け取るのは慎重であるべきという指摘もあります。それでも、三国志の世界を「武器」という切り口から眺め直すきっかけとしては、十分に楽しめる内容です。

物語の見え方が、武器を通して立体的になった

この本を読む前、私にとって三国志の戦いは、英雄同士のドラマとして平面的に流れていくものでした。けれど読んだあとは、見え方が立体的に変わりました。漫画やゲームで武将が武器を構える場面を見たとき、「これはどういう仕組みの武器なのか」と、つい一段深く考えるようになったのです。友人と三国志の話をするときも、武将の人物像だけでなく、その武器や装備の話で会話が広がるようになりました。たとえば赤壁の戦いのような有名な場面でも、そこで何が使われ、どう運ばれたのかという視点が一つ加わるだけで、知っているはずの物語が違って見えてくるのです。これまで素通りしていた小道具の一つひとつに目が向くようになり、見慣れた物語が新しい層を持って感じられる。その変化は、ちょっとした発見の連続でした。

知らないままでは、半分しか楽しめていなかった

この本を読まなければ、私は三国志を人物のドラマとしてだけ眺め、武器という奥行きを知らないまま楽しんでいたと思います。著者の水野大樹さんは、出版社勤務を経て独立した歴史分野のライターで、古代の兵器を扱った著作も手がけています。物語と武器の両方に通じた書き手だからこそ、エンタメとしての面白さと図解のわかりやすさが両立しているのでしょう。三国志が好きなのに武器のことはよく知らない、という方には、その世界をもう一段深く味わう入り口になるはずです。

水野大樹著『英雄たちの装備、武器、戦略 三国志武器事典』はこちらから読めます。

内容紹介

豪傑やストーリーだけではない!叡智を競った武具こそ、三国志の魅力!攻城戦で活躍した霹靂車とはどんな武器?水上戦ではどんな船が使われたのか?三国時代当時の武器や防具、兵器を図解で詳解!全70アイテム完全収録。

出版社による紹介文です(楽天ブックスの書誌情報より)。

書誌情報

書名
英雄たちの装備、武器、戦略 三国志武器事典 (じっぴコンパクト新書)
著者
水野 大樹
レーベル
じっぴコンパクト新書
出版社
実業之日本社
発売日
2017年7月1日
ISBN
4408456497