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スマホはどこまで脳を壊すか (朝日新書)

川島 隆太榊 浩平

朝日新書 / 朝日新聞出版

2023年2月13日発売

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新書嫁レビュー

勉強しても成績が伸びない――原因は手の中の小さな板だった

2026-05-29

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スマホは便利な道具にすぎないと思っていた

スマホは生活を便利にしてくれる道具で、使い方さえ気をつければ問題ない――私はずっとそう思っていました。勉強の合間に少し触るくらい、息抜きの範囲だと。けれど、机に向かう時間はそれなりにあるのに、なぜか手応えがない。集中が続かず、覚えたはずのことがすぐ抜けていく。少し休もうと画面を開けば、気づけば三十分が消えている。その正体がつかめないまま、「自分の頑張りが足りないのだろう」「意志が弱いのだろう」と自分を責めるばかりで、どこか釈然としないものを抱えていました。榊浩平著・川島隆太監修『スマホはどこまで脳を壊すか』は、そのもやもやの正体を、データではっきりと突きつけてきました。

榊浩平著・川島隆太監修『スマホはどこまで脳を壊すか』はこちらから読めます。

長時間勉強しても、スマホ漬けだと効果が打ち消される

この本が示す調査結果は、衝撃的なものです。本書によれば、スマホを毎日長時間使う子どもは、たとえ長く勉強しても、ほとんど勉強していない子と成績がほぼ変わらない傾向が見られたとされています。努力そのものが、手の中の小さな板によって打ち消されてしまうというのです。さらに本書は、思考の中枢である前頭前野が、スマホに頼って脳を「ラク」させているあいだ働きを落としている可能性を指摘します。読者からは、コロナ禍で広まったオンライン会議について「対面と違って脳が同期して活動しにくい」という本書の指摘が、自分の実感とぴったり重なったという声も寄せられています。画面越しのやり取りでは、目の前に相手がいるときのような緊張感が生まれにくく、どこかぼんやりしたまま会話が進んでしまう――そんな経験に思い当たる人は少なくないはずです。本書では、子どもおよそ二百人規模を数年にわたって追いかけた調査の詳細や、成長期の脳発達への影響、さらに大人にも見られる不安・抑うつ傾向との関わり、そして脳を守るために何ができるのかが、さらに踏み込んで語られていきます。

集中できない理由がわかると、机に向かう姿勢が変わる

この本を読む前、私は集中できない自分を、意志の弱さのせいだと思い込んでいました。読んだ後は、その見方が変わりました。机に向かうとき、まずスマホを別の部屋に置くようになったのです。通知が鳴らない環境を作っただけで、文章が頭に入る感覚がまるで違う。これまで「気が散る自分が悪い」と片づけていたことが、実は脳が置かれた環境の問題だったのだと腑に落ちると、自分を責める気持ちが減り、できることに目が向きました。読者の声にもあったように、スマホは一日のうち決めた時間内にとどめる、寝る一時間前にはやめる、やるべきことを終えてから触る、といった小さなルールから始めるだけで、日常の手応えは確かに変わってきます。いきなりすべてを断つのではなく、無理のない一歩を置くことが続けるコツなのだと、身をもって感じています。

知らないままなら、努力を空回りさせ続けていた

この本に出会わなければ、私はこれからも「頑張りが足りない」と自分を責めながら、空回りする努力を続けていたと思います。本書を率いる川島隆太氏は、脳機能イメージング研究のパイオニアであり、東北大学加齢医学研究所の所長を務める医学者です。脳を直接の研究対象として向き合ってきた専門家が、実際のデータをもとに警鐘を鳴らすからこそ、その指摘には重みがあります。自分も努力を空回りさせていないか――そう感じた方にこそ、ぜひ本書で確かめてみてください。

榊浩平著・川島隆太監修『スマホはどこまで脳を壊すか』はこちらから読めます。

内容紹介

【「脳トレ」の川島研究室が緊急提言】スマホに依存しすぎると思考の中枢「前頭前野」がやられる!「ものを考えられない」「何かに集中することができない」スマホ依存を放置した先に待つのは、認知症予備軍の人たちであふれる社会か!?スマホを常用し、脳に“ラク”をさせていると、成長期の子どもなら脳発達が大きく損なわれ、成人なら不安・抑うつ傾向が高くなることが明らかに。最新研究で見えてきた衝撃の未来。■目次はじめに スマホは人を幸せにするのか? 第1章 思考の中枢を担う前頭前野を守れ  脳は領域によって機能を分担している/大脳には四つの部屋がある/前頭前野の大切な役割1認知機能/前頭前野の大切な役割2コミュニケーション/脳の活動を観察する方法ー脳機能イメージング/10代の過ごし方がその後の脳を左右する/加齢によって萎縮が早く進んでしまう前頭前野/前頭前野はどうしたら鍛えられるのか?第2章 スマホはここまで学力を破壊する私たちの生活の一部となった「オンライン習慣」/「インターネット依存」とアルコール依存の類似性/スマホの使いすぎが子どもたちの学力を「破壊」/勉強してもよく寝ても「3時間以上のスマホ」で台なしに!/スマホの使用時間を減らせば成績アップ/スマホ横目に3時間勉強しても成果は30分/「ながら」という悪癖/「会話のラリー」というインスタントメッセージの罠/通知音が鳴るだけで低下する集中力/スマホやタブレットでの学習は脳がはたらかない?/インターネットを使い続けた、衝撃の3年後第3章 オンライン・コミュニケーションの落とし穴コロナ禍におけるコミュニケーションの変化ー対面からオンラインへ/コミュニケーションとは?/ヒトにとってコミュニケーションは必要不可欠/親子での会話が子どもの健やかな脳を支える/人間の脳には負荷が必要/オンラインと対面ではコミュニケーションの質が違う/「つながっている」と感じるとき、脳と脳も同期する/なぜ人混みの中でも足並みを揃えて歩けるのか?/授業形式によって子どもの脳活動は変わる第4章 オンラインでは脳は「つながらない」  「ひとりでボーッとしている状態と変わらない」/「誰と」で変わるコミュニケーションの質/老若男女を問わず盛り上がる話題とは?/2019年に始まった実験が予期せぬ方向へ/「オンラインでは何かが足りない」から浮かんだ仮説/なぜオンライン会話では脳が同期しないのか?/画面越しの映像はパラパラ漫画と同じ/オンラインは「きっかけ」で「つなぎ」第5章 スマホ漬けの脳はどうなるか  オンライン習慣の先に見える未来/将来の認知症リスクを高める可能性/リスク要因1 学習の質が低下/リスク要因2うつ病とSNS/リスク要因3「つながる」はずが孤独に/リスク要因4ごろごろして運動不足に/「リスク」をどのように受け止めますか?第6章 すぐ始められる脱オンライン習慣のススメ  私たちの生活はオンラインなしには成り立たないのか?/脱オンライン習慣の効果ー国内外の実例/言うは易く行なうは難し?/最大の拷問はプロ野球の速報/紙の地図頼りのドライブに初挑戦/今日か

出版社による紹介文です(楽天ブックスの書誌情報より)。

書誌情報

書名
スマホはどこまで脳を壊すか (朝日新書)
著者
川島 隆太 / 榊 浩平
レーベル
朝日新書
出版社
朝日新聞出版
発売日
2023年2月13日
ISBN
4022952032