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「頭がいい」の正体は読解力 (幻冬舎新書)

樋口 裕一

幻冬舎新書 / 幻冬舎

2019年11月28日発売

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新書嫁レビュー

「頭のよさ」は生まれつきではなく、たった一つの力でできていた

2026-08-02

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頭のよさは生まれつきの才能で決まると思い込んでいた

「あの人は頭がいい」と言うとき、わたしはそれを生まれ持った才能や、地頭のよさのことだと思い込んでいました。一部の恵まれた人だけが持つもので、大人になってから変えられるものではないと。けれど、その前提を抱えたまま仕事や会話をしていると、相手の話の要点を取り違えたり、議論がかみ合わなかったりするたびに「自分は頭が悪いから仕方ない」とあきらめるしかなく、どこか息苦しさが残っていました。その固定観念を根本からほどいてくれたのが、この本でした。

樋口裕一著『「頭がいい」の正体は読解力』はこちらから読めます。

「頭のよさ」の正体は、後から鍛えられる読解力だった

本書が示すのは、わたしたちが「頭がいい」と呼んでいるものの正体は、実は読解力だという見方です。ものごとを正確に読み取り、理解する力。それは文章を読むときだけでなく、人の話を聞いて要点をつかむときも、相手の意見にきちんと反論するときも、あらゆる場面で働いています。著者が指摘するのは、読書量の不足や、短文のSNSやネット記事に慣れたことで、長い文章を読み解く耐性を失った人が増えているという現実です。言葉の意味は知っていても、それを使いこなせない。そんな状態が広がっているといいます。なかでも興味深いのは、クレーマーの分析です。クレーマーとは強引に自分を押し通す人だと思われがちですが、本書はその本質を「物事を根本まで理解できず、自分本位でしか受け取れない読解力の不足」だと捉え直します。怒りっぽさではなく、読み解く力の欠如こそが問題だというのです。そして本書はこの力を、語彙力・文章力・読解力という三つのステップで、実際に問題を解きながら鍛えていく方法へと話を進めていきます。生まれつきではなく、後から伸ばせるものとして。

「分からない」が「まだ読めていない」に変わった

この本を読む前のわたしは、話が理解できないとき「自分は頭が悪い」のひと言で片づけていました。けれど読み終えたいま、同じ場面で「いまの自分はまだこれを正確に読み取れていないだけだ」と捉えるようになりました。たとえば会議で相手の発言の意図をつかみそこねたとき、以前なら才能のせいにして黙り込んでいました。いまは、相手が本当に言いたかったことは何かと、もう一度言葉を丁寧に追いかけてみる。長めのメールを読むときも、流し読みでつまずいたら一文ずつ意味を確かめ直す。すると不思議と、霧が晴れるように要点が形を取り始めるのです。あきらめの言葉だった「頭が悪い」が、伸びしろを示す「まだ読めていない」に変わった。それだけで、学ぶことへの気持ちがずっと前向きになりました。

知らないままなら、才能のせいにし続けていた

この本を読まなければ、わたしは理解できないことすべてを生まれつきの才能のせいにし、自分はもう変えられないと思い込んだままだったはずです。著者の樋口裕一氏は、受験小論文指導の第一人者として知られ、多くの受験生に言葉の力を伝えてきた人物で、多摩大学名誉教授も務めています。文章を読み解き、書く力を人がどう身につけていくのかを長年にわたって間近で見つめてきました。その積み重ねがあるからこそ書ける、地に足のついた説得力がこの一冊にはあります。自分も頭のよさを生まれつきの才能だと思い込んでいたかもしれない、と感じた方にこそ確かめてほしいと思います。

樋口裕一著『「頭がいい」の正体は読解力』はこちらから読めます。

内容紹介

あらゆる物事を正確に読み取り、理解する力=読解力。文章を読んで自分の考えをまとめたり、会話で相手の意見に反論するときなど、現代社会を生きる上で不可欠な力だ。しかし読解力のない日本人が増えている。読書量の不足やネット記事・短文SNSの普及による「長文を読み解く耐性がない」「言葉の辞書的な意味は知っていても使いこなせない」ことが主な原因だ。本書では、問題を解きながら実際に言葉を使い、文章を書くことで「語彙力」「作文力」「読解力」の3ステップで鍛えていく。飛ばし読みや資料の要約、会話やコミュニケーションにも役立つ、現代人の必須スキルを磨く一冊。

出版社による紹介文です(楽天ブックスの書誌情報より)。

書誌情報

書名
「頭がいい」の正体は読解力 (幻冬舎新書)
著者
樋口 裕一
レーベル
幻冬舎新書
出版社
幻冬舎
発売日
2019年11月28日
ISBN
9784344985773