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戦国武将が愛した名湯・秘湯 (マイナビ新書)

岩本 薫

マイナビ新書 / マイナビ出版

2018年6月26日発売

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新書嫁レビュー

戦国武将にとって温泉は、ただの娯楽ではなかった

2026-07-24

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温泉は昔から「楽しみ」だと思っていた

温泉といえば、疲れを癒やす贅沢なひととき。私はずっとそう思っていました。戦国武将が温泉に入っていたと聞いても、戦のあいまの息抜きか、せいぜい湯けむりに浸かる風流な趣味くらいに考えていたのです。歴史の本に出てくる「武田信玄の隠し湯」も、強い武将の優雅なエピソードとして読み流していました。でも、その認識はどこか表面的で、なぜ彼らがわざわざ山深い湯を「隠して」まで確保したのか、しっくり説明できないままでした。その違和感に答えをくれたのが、岩本薫さんの『戦国武将が愛した名湯・秘湯』です。

この本に出会わなければ、私はこれからもずっと、温泉を「いい気持ちになる場所」としか見ていなかったと思います。著者の岩本薫さんはコピーライターのかたわら、webマガジン「ひなびた温泉研究所」を主宰し、全国のひなびた湯を訪ね歩いてきた書き手です。実際に湯を巡ってきた人ならではの、現地の手触りのある描写が魅力です。次に温泉へ行くとき、自分が浸かる湯にどんな歴史が眠っているのか、知っているかどうかで味わいは大きく変わります。岩本薫著『戦国武将が愛した名湯・秘湯』はこちらから読めます。

温泉は、戦国時代の野戦病院だった

この本が描くのは、娯楽とはまるで違う温泉の姿です。戦国武将は日々命がけで戦い、生傷が絶えませんでした。病院も薬局もない時代、その代わりを務めたのが温泉だったのです。傷を癒やし、疲れきった体に活力を取り戻させる。温泉はいわば野戦病院であり、戦力を立て直す安息所でした。たとえば武田信玄は、武田家の記録『甲陽軍鑑』によれば、1548年の上田原の合戦で村上義清に敗れて自身も傷を負った後、湯村温泉で三十日間も傷の治療に専念したと伝えられています。三十日という長さは、温泉が単なる気晴らしではなく、本気の治療の場だったことを物語ります。だからこそ武将たちは、利用者の少ない山間の湯を「隠し湯」として人目から守り、兵の保養に使いました。湯の場所を敵に知られれば、自軍の傷の深さや回復の拠点まで露見してしまう。温泉の確保は、いわば戦略上の機密でもあったのです。本書は信長・秀吉・家康の三英傑の温泉事情から、信玄と謙信が隠し湯でもライバルだったのかという問い、トリックスター真田の里の湯、小田原攻めに集った武将たちを癒やした湯、そして誰もが浸かりたがった草津の名湯まで、章ごとに武将と湯を結びつけて語っていきます。誰がどの湯で何を癒やしたのか、その続きはぜひ本書で確かめてみてください。

旅先の湯が、歴史の現場に変わった

この本を読んでから、温泉に行くときの目線がはっきり変わりました。以前は、湯の温度や眺めや料理ばかりを気にして、宿の口コミの星の数で行き先を決めていました。今は、湯船に身を沈めるとき、ふと「この湯に、四百年前の誰かが傷を抱えて入っていたかもしれない」と思うようになったのです。たとえば下部温泉という名前を見ただけで、信玄の隠し湯伝説が頭に浮かび、ただの一泊が小さな歴史散策に変わる。草津や下部といった名の知れた温泉地が、行楽地ではなく、命をつないだ場所として立ち上がってきます。同じ湯につかっているはずなのに、感じるものの厚みがまるで違う。旅の前に「この土地にどんな武将がいたのか」を調べるのが、いつのまにか出発前の楽しみになりました。

知らないままでは、半分しか味わえなかった

この本に出会わなければ、私はこれからもずっと、温泉を「いい気持ちになる場所」としか見ていなかったと思います。著者の岩本薫さんはコピーライターのかたわら、webマガジン「ひなびた温泉研究所」を主宰し、全国のひなびた湯を訪ね歩いてきた書き手です。実際に湯を巡ってきた人ならではの、現地の手触りのある描写が魅力です。次に温泉へ行くとき、自分が浸かる湯にどんな歴史が眠っているのか、知っているかどうかで味わいは大きく変わります。岩本薫著『戦国武将が愛した名湯・秘湯』はこちらから読めます。

内容紹介

戦国武将は、日々命がけで戦い、生傷が絶えませんでした。
近くに病院も薬局もない時代に、代わりを務めたのが“温泉”です。
温泉は戦国武将にとっての野戦病院であり、活力を養う安息所だったのです。
戦国武将が浸かっていた温泉は、彼らの身体を癒やし、治癒してきた本物の湯です。
だから温泉は、戦国武将で選べば間違いありません!
そして、戦国時代は極めつけの乱世だったからこそ、戦国武将が愛した温泉には、さまざまなドラマがつまっています。
そんな数々のドラマに思いを馳せながら、戦国武将のゆかりの温泉を、歴史的なエピソードとともに紹介します。
戦国武将たちのドラマに満ちた温泉の世界へ旅立ちましょう!
第1章 信長、秀吉、家康、三英傑の温泉事情
第2章 信玄と謙信は隠し湯でもライバルだったのか!?
第3章 ようこそ! 戦国時代のトリックスター真田の里へ
第4章 小田原攻めの超豪華キャストたちの疲れを癒やした湯
第5章 あの武将もこの武将もみんな草津の名湯に浸かりたかった
第6章 わたしを戦国武将温泉に連れてって
第7章 いい温泉に出会うノウハウを学ぼう

出版社による紹介文です(楽天ブックスの書誌情報より)。

書誌情報

書名
戦国武将が愛した名湯・秘湯 (マイナビ新書)
著者
岩本 薫
レーベル
マイナビ新書
出版社
マイナビ出版
発売日
2018年6月26日
ISBN
9784839966867