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赤と黒の軍旗が暴く、信長の秘密 色で読み解く日本の歴史 (ヴィレッジブックス新書 9)

木下代理子

ヴィレッジブックス新書 / ウイーヴ

2008年6月1日発売

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新書嫁レビュー

戦国武将がまとった「色」は、ただの好みではなかった

2026-07-11

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武将の旗指物の色は、見栄えで選ばれていたと思っていた

戦国の合戦絵巻を眺めるとき、武将たちが掲げる軍旗や甲冑の色は、それぞれの趣味や家のしきたりで決まっているのだろうと、私は漠然と思っていました。赤備えはかっこいいから、黒は威厳があるから、その程度の理解です。けれど歴史を読んでいると、なぜこの武将はこの色なのかという問いがいつも宙に浮いたままで、どこか地に足のつかない感じが残っていました。その違和感に答えをくれたのが本書です。色は飾りではなく、人の心理に働きかける装置として選ばれていた。そう知った瞬間、見慣れた歴史の景色に奥行きが生まれました。

木下代理子著『赤と黒の軍旗が暴く、信長の秘密 色で読み解く日本の歴史』はこちらから読めます。

赤と黒に込められた、心理を動かす力

本書が手がかりにするのは、織田信長が用いた赤と黒という配色です。色彩心理の視点から見ると、赤は人を高揚させ闘志をかき立てる色であり、黒は近寄りがたさと威圧を生む色だといいます。戦場で敵味方の目に飛び込むその二色が、士気や恐怖といった感情にどう作用したか。著者はそうした角度から、信長という人物の振る舞いを読み解いていきます。武将の選んだ色を、性格や戦略と結びつけて眺めると、これまで暗記するだけだった人物像が、急に生身の人間として立ち上がってくる。同じ赤でも、勇猛さを誇示するための赤と、相手を威圧するための赤では意味合いが違う。色が一枚の旗の上で果たしていた役割を知ると、合戦の場面がまるで心理戦の舞台のように見えてきます。本書ではこのほかにも、日本の歴史に登場するさまざまな人物や出来事を、色という補助線で捉え直しており、教科書では語られない見方が章ごとに差し出されます。年号や名前を覚えるだけだった歴史が、感情の動く人間ドラマとして立ち上がってくる。色が分かると、歴史の解像度がもう一段上がるのです。

街を歩く目が、少し変わった

読み終えてから、不思議と日常の見え方が変わりました。これまで素通りしていた看板やユニフォーム、企業のロゴの色に、自然と意味を探すようになったのです。なぜこの店は赤を使うのか、なぜ高級ブランドは黒を好むのか、なぜ病院の壁は淡い色なのか。かつての武将が旗の色に意図を込めたように、現代の私たちのまわりにも色のメッセージが満ちている。そう気づくと、いつもの通勤路すら小さな観察の場になりました。家電量販店の派手な値札も、カフェの落ち着いた内装も、誰かが心理を計算して選んだ結果なのだと思うと、見慣れた風景が一気に意味を帯びてきます。歴史を学んだはずなのに、得られたのは過去の知識だけではなく、今この瞬間の世界を読み解く新しい目だったのです。

知らなければ、色をただの背景として見過ごしていた

色を手がかりに歴史を捉えるという発想は、知らなければ一生たどり着かなかったかもしれません。著者の木下代理子さんは、カラーセラピー研究所を主宰し、色と深層心理の関係を長年研究してきた人物です。心理学の専門家が歴史に分け入るからこそ、武将の選んだ色の裏側を一歩踏み込んで読み解ける説得力があります。歴史は史料の暗記だと思い込んでいた私にとって、本書は色という思いがけない入口から過去を開いてみせてくれました。同じように歴史を遠く感じている方こそ、この一冊で見方の変わる体験を確かめてみてください。

木下代理子著『赤と黒の軍旗が暴く、信長の秘密 色で読み解く日本の歴史』はこちらから読めます。

内容紹介

光秀の軍旗はどうして水色?武田軍の戦装束はなぜ真っ赤?歴史上で使われた色には、実は深い理由があったのです。日本の歴史上に現れた色を、色彩心理学で分析してみると、意外な事実が見えてくる。

出版社による紹介文です(楽天ブックスの書誌情報より)。

書誌情報

書名
赤と黒の軍旗が暴く、信長の秘密 色で読み解く日本の歴史 (ヴィレッジブックス新書 9)
著者
木下代理子
レーベル
ヴィレッジブックス新書
出版社
ウイーヴ
発売日
2008年6月1日
ISBN
4863320485