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宇宙は数式でできている なぜ世界は物理法則に支配されているのか (朝日新書)

須藤 靖

朝日新書 / 朝日新聞出版

2022年1月13日発売

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新書嫁レビュー

宇宙が、人間の数式に信じがたい精度で従っている

2026-08-06

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「数式は現実を近似するための道具」だと思っていた

数学は人間が作り出した記号の体系であり、自然界を理解するための便利な道具に過ぎない——そんなふうに考えていました。物理学の方程式も、「実際の宇宙を完璧には表せないが、役に立つ近似」として機能するものだ、と。だから、理論的に導き出された解が現実の宇宙現象に一致したとき、それを「精度の高い近似」として受け取っていたのです。

そのぼんやりした認識のせいで、「なぜ宇宙は人間が書いた数式に従うのか」という問いを真剣に考えたことがありませんでした。考えてみれば不思議なはずなのに、「そういうものだから」という感覚で流してきた。そこに、何か重要なことが見えていないような、もやもやした感覚が残っていたのです。

この本を読んで、そのもやもやが一気に晴れました。

須藤靖著『宇宙は数式でできている』はこちらから読めます。

数式が先に「ブラックホール」を予言していた

本書が語るのは、ニュートン力学から一般相対性理論まで、数式が現実の宇宙現象を「先に予言してきた」という驚くべき歴史です。特に印象的だったのはブラックホールをめぐる話です。ブラックホールはもともと、一般相対性理論の方程式を解いたときに現れる「数学的な解」でした。「まさかそんなものが実在するわけがない」と長らく多くの科学者に思われていたにもかかわらず、観測技術の進歩とともに実在が確認されていった——つまり数式の方が先に「あるはずのもの」を予言していたのです。

同様に、重力波もまたアインシュタインが理論的に予言してから100年後に初めて直接観測されました。宇宙は数式に「近似的に従う」のではなく、宇宙そのものが数式に従っているかのような信じがたい精度で、理論的予言が現実に一致し続けているのです。本書にはさらに、現代宇宙論の難問——なぜ一般相対論と量子力学を統一した理論ができていないのかという問題についても著者の見解が展開されています。ぜひ本書で確かめてみてください。

「数式=道具」から「数式=宇宙の言語」へ

この本を読んでからは、数式というものへの見方が変わりました。以前は、数式が現実に一致するのは「人間が経験から抽象化した結果」だという説明で完結していました。

ところが本書を読んでからは、「そもそも、なぜ宇宙は数式に従うのか」という問い自体を立てるようになりました。夜空を見上げたとき、「あの光の源は、100年前に書かれた方程式が予言した通りに動いている」という事実が頭をよぎるようになった。数式が「便利な近似」から「宇宙が語りかけてくる言語」に見えてくる瞬間——それは日常の見え方を豊かにする、静かな驚きです。

当たり前の空が、違って見え始めた

物理学者が「信じがたい精度で一致する」と言うとき、それは「まあそこそこ合っている」という意味ではありません。小数点以下十何桁もの精度で、理論と観測が一致するという事実の話です。人間が方程式を紙に書いた結果が、宇宙のはるか彼方で起きていることと、その精度で一致している——この事実をどう受け取るか。本書を読んだ後、この問いが頭から離れなくなりました。

東大物理学教授が語る「宇宙と数学の深い関係」

東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授として宇宙物理学・宇宙論の最前線で研究を続けてきた須藤靖だからこそ語れる、数式と宇宙の本質的なつながりです。物理学者の世界観を通じて、宇宙を見る目が根底から変わる一冊です。

この本を読まなければ、「数式は道具に過ぎない」という思い込みのまま、宇宙のもつ本当の不思議さに気づかなかったと思います。

須藤靖著『宇宙は数式でできている』はこちらから読めます。

内容紹介

なぜ宇宙は、人間たちが作った理論(数式)にこれほど従っているのか? ブラックホールから重力波まで「さすがに実在しないだろう」と思われたものが、技術の発展によって続々と明らかにされている。神が仕組んだとしか思えない驚きの宇宙の姿とは。

出版社による紹介文です(楽天ブックスの書誌情報より)。

書誌情報

書名
宇宙は数式でできている なぜ世界は物理法則に支配されているのか (朝日新書)
著者
須藤 靖
レーベル
朝日新書
出版社
朝日新聞出版
発売日
2022年1月13日
ISBN
9784022951601