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新書嫁レビュー ・ 約 3 分

科学者は「神を否定する人」だという思い込みが、誤解だった

科学者は宗教・神を否定する立場にある人たちだと思っていた

科学と宗教は相反するもので、科学者という職業は実証・理論・データを信じ、神や宗教的な概念を否定する立場にある——そんな前提を持っていました。「科学か宗教か」という二項対立が、科学者と信仰の関係を考えるときの基本的な枠組みになっていたのです。

でもこの本を読んで、コペルニクスからホーキングまでの科学史における多くの偉大な科学者たちが、それぞれの形で「神」を信じていたという事実が見えてきました。科学と信仰の関係は、対立ではなく、もっと複雑で豊かなものだったのです。

この本が、科学と宗教への見方を根本から変えてくれました。

ニュートン・アインシュタイン・ホーキングが語った「神」とは何か

本書は、素粒子物理学・宇宙論を専門とする三田一郎が、科学史上の偉大な科学者たちが「神」についてどのように考えてきたかを解説したブルーバックスの一冊です。科学と宗教の関係を、歴史と哲学の両面から丁寧に辿っています。

アインシュタインは「神はサイコロを振らない」という言葉で知られていますが、これはランダム性を否定する物理学的な主張であると同時に、宇宙に精緻な法則性が存在することへの深い畏敬の表現でもあります。量子力学の不確定性原理に懐疑的だったアインシュタインの「神」概念は、人格神ではなく宇宙の秩序への哲学的な確信でした。宇宙がこれほど精緻な数学的法則で記述できることへの驚きが、一人の物理学者の「神への信仰」の源になっていたのです。その感覚は、宇宙の不思議に深く向き合った人間にしか生まれないものかもしれません。

ニュートンは神学の研究に生涯の膨大な時間を費やし、宇宙の法則の発見を神の設計の解読だと考えていました。コペルニクスは聖職者でもありました。科学者が「神を信じる」とはどういう意味か——それは画一的な答えのない問いであり、科学者の数だけ異なる回答があるということがわかります。本書にはさらに、現代の宇宙論・量子力学と神の概念の接点についても詳しく語られています。ぜひ本書で確かめてみてください。

「科学 vs 宗教」という単純な対立が消えた

この本を読んでから、科学者が信仰について語るとき、その「神」という言葉が何を指しているかを注意深く聞くようになりました。宇宙の秩序への畏敬と、特定の宗教の人格神への信仰は全く異なるものです。

「科学か宗教か」という二項対立の外に立つことで、科学と哲学と宗教が入り交じる思想の豊かな空間が見えてきました。偉大な科学者たちの知的な誠実さと、宇宙への深い畏敬の念が、この本を通じてリアルに伝わってきます。答えのない問いに向き合い続けることを止めないことが、科学者としての誠実さなのだということがわかります。

素粒子物理学者が辿った「科学と神」の歴史

素粒子物理学・宇宙論の専門家である三田一郎が、コペルニクスからホーキングまでの科学者たちの「神」への見方を歴史的に辿った一冊です。ブルーバックスならではの科学的な視点と人文学的な深みが融合した内容です。

この本を読まなければ、「科学者は神を否定する」という単純化された見方を持ったまま、科学と信仰の間に広がる豊かな思想の歴史を知らずにいたと思います。

この本を手に入れる

科学者はなぜ神を信じるのか コペルニクスからホーキングまで (ブルーバックス) 三田一郎 / 講談社

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