内容紹介
アメリカ大統領が動けば、世界のどこであっても街の一部が止まる。専用機の到着に合わせて旅客機は上空で待機し、市内の信号も時間差で制御される。受け入れ国の協力のもと、赤と青の警告灯を光らせた警察車両に先導され、長い車列が街を走る。沿道の歩行者は足を止めスマホを構える。
エアフォースワンが現地空港に降り立ち、黒塗りの専用車「ビースト」が両国の国旗を掲げて都心を走り抜ける。その本番の日を「ゲームデイ(Game Day)」と呼ぶ。下準備は数か月前から現地の大使館が進め、ホワイトハウスの先遣隊「アドバンス(Advance)」が入るのは約二週間前だ。警護、通信、車両、会場設営、報道対応、医療など、役割の異なる要員が続々と到着し、先遣隊は千人規模に膨らんでいく。「ジャガーノート(Juggernaut)=圧倒的に巨大で強力な存在」を思わせる組織である。
私は、その一員だった。
日本で生まれ育った私が、受け入れる側ではなく、アメリカ大統領の訪問を実現させる側にいたのである。
私の仕事は、アメリカ国務省のプロトコールオフィサー(儀典官)だった。第四十三代ジョージ・W・ブッシュ大統領から第四十六代ジョー・バイデン大統領まで、複数の政権にまたがって外交行事に携わってきた。大統領や国務長官が外国を訪問する際、訪問先での行事が滞りなく、格式を保ちつつ友好的に進むよう調整する。
第一章 アメリカのプロトコール
第二章 アメリカの儀礼序列、外交序列と式典
第三章 先遣隊の仕事
第四章 アメリカ国務省で働く
第五章 米国儀典局と外交行事
第六章 アメリカの職場で叩きこまれた言葉たち
出版社による紹介文です(楽天ブックスの書誌情報より)。
書誌情報
- 書名
- 知られざるアメリカ外交儀礼
- 著者
- 大久保 泉
- レーベル
- 角川新書
- 出版社
- KADOKAWA
- 発売日
- 2026年10月9日
- ISBN
- 9784040825854