バブルは「特定の資産クラスが異常高騰する現象」だと思っていた
バブルというのは、株式市場や不動産市場で特定の資産が実態を大きく超えた価格に高騰し、それが崩壊する現象だ——そう思っていました。1990年代の日本の不動産バブル、2000年代のITバブル、リーマンショック前のサブプライム住宅バブル——これらはいずれも特定のセクターで起きた問題として理解していたのです。
でも「エブリシング・バブル」という言葉が示すのは、これらとは次元の異なる状況です。株式・不動産・債券・暗号資産・コモディティと、あらゆる資産クラスが同時に高騰するという前例のない事態が、超低金利と量的緩和の時代に生まれていたのです。その意味と危険性を、この本で初めて正しく理解できました。
この本が、バブルへの理解を全く別の次元に引き上げてくれました。
「全資産クラスの同時高騰」という前例なき状況
本書は、エコノミスト・投資家のエミン・ユルマズと、第一生命経済研究所の経済調査部長・永濱利廣が共著で、エブリシング・バブルの実態と崩壊リスクについて徹底的に論じた一冊です。
特に重要なのは、エブリシング・バブルの発生原因の分析です。2008年のリーマンショック後、各国の中央銀行が行った前例のない大規模な金融緩和と低金利政策は、リスク資産全般への資金流入を促しました。本来、高い利回りを求めるリスク選好が株式に、安全性を求める傾向が債券に向かうはずが、低金利によってあらゆる資産に資金が流れ込んだ結果、全てが同時に上昇するという異常な状態が生まれました。
エミン・ユルマズはトルコ出身で、新興国の経済危機を身近に経験した背景から、通貨や国家信用のリスクについて独自の視点を持っています。一方の永濱利廣は日本のマクロ経済を長年分析してきた専門家として、日本経済への具体的な影響を論じます。二人の視点が交わることで、グローバルなリスクと日本への影響の両面が見えてきます。本書にはさらに、崩壊のトリガーとなりうるシナリオと、個人投資家がとるべき対応についても論じられています。ぜひ本書で確かめてみてください。
「資産分散」の意味が根本から変わった
この本を読んでから、資産運用に対する考え方が変わりました。「株式と債券に分散すれば安全」という従来の分散投資の考え方が、全資産クラスが相関して動くエブリシング・バブルの環境では十分でなくなっているという指摘は、リスク管理の見直しを促してくれました。
「バブルは遠い話」ではなく、自分の日常的な資産形成の選択と直結している問題だという実感が持てたことで、情報への向き合い方が変わりました。
二人の専門家がグローバルリスクを読み解く
エコノミスト・投資家として日本とグローバル経済を分析するエミン・ユルマズと、第一生命経済研究所の経済調査部長・永濱利廣が共同で著したエブリシング・バブル分析の書です。感覚的な警告ではなく、データと理論に基づく冷静な分析が、複雑な現代の金融リスクを理解する助けになります。
この本を読まなければ、バブルを「特定の資産の問題」として距離を置いたまま、自分の資産形成に潜むリスクを見えないままにしていたと思います。知ることが、最初の防衛手段です。
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