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新書嫁レビュー ・ 約 3 分

投資とは「売り買い」ではなく「持っていること」だった

投資とは、毎日チャートとにらめっこすることだと思っていた

投資と聞くと、画面に貼りついて値動きを追い、安く買って高く売る——そんな張りつめた世界を私は思い描いていました。だから自分には無理だと、ずっと距離を置いていたのです。お金のことはどこか後ろめたく、考えれば考えるほど焦りばかりが募り、何ひとつ手をつけられないまま時間だけが過ぎていく。そんな宙ぶらりんな感覚が、心の奥にずっと居座っていました。ところがこの本を読んで、その前提そのものが根底から崩れました。投資とは「買ったり売ったり」することではなく、「持っていること」なのだ、と。

上げ相場にも下げ相場にも、ただ「全部つき合う」

本書がすすめるのは、世界中の株式に低コストで分散投資するインデックスファンドを買い、あとは基本的に放っておくという方法です。相場が上がっても下がっても売らず、ただ持ち続けて「全てにつき合う」。共著者の水瀬ケンイチさんは個人投資家として2002年からこの方法を実践し、約20年で資産およそ1億円を築いたと本書で語られています。専業のトレーダーでもない一人の会社員が、仕事や趣味を楽しみながら到達した数字だという点に、私は静かな衝撃を受けました。短期の値動きを当てにいくのではなく、世界経済が長い時間をかけて成長していくことに、まるごと乗っていく。だから日々の上下を読む必要も、画面に貼りつく必要もないという理屈です。本書ではさらに、具体的なネット証券や商品の選び方、暴落に直面したときの心の保ち方、積み立ての続け方、よくある疑問への回答まで踏み込んで書かれています。読者の声にも「銘柄の選定は間違いない」「ほったらかしで良い」という実感がありました。なぜ売らずに持ち続けることが結果につながるのか、その続きはぜひ本書で確かめてみてください。

お金の不安に振り回される時間が、静かに消えていった

この考え方を知る前の私は、ニュースで「株価急落」と聞くたびに胸がざわつき、スマートフォンで何度も口座残高を確かめては一喜一憂していました。SNSで誰かの利益自慢を見ては落ち込み、お金のことが頭から離れず、休日でも心が休まらなかったのです。けれど「持ち続けていればいい」と腑に落ちてからは、その騒がしさが嘘のように静まりました。一日に何度も価格を見ていた習慣が消え、下げ相場のニュースも「いつものこと」と受け流せるようになったのです。空いた心の余白は、目の前の仕事や、家族と過ごす休日へと向かいました。お金を増やすことより、お金に心を奪われない時間を取り戻せたことのほうが、私にとっては大きな変化でした。判断を減らすことが、こんなにも日々を軽くするとは思っていませんでした。

知らないままだったら、私はずっと焦り続けていた

もしこの本に出会わなければ、私は「投資は特別な才能を持つ人のもの」という誤解を抱えたまま、何もせず焦り続けていたはずです。著者の山崎元さんは長年第一線で活躍した経済評論家で、もう一人の水瀬ケンイチさんは20年以上インデックス投資を続けてきた実践者です。理論と実体験の両輪があるからこそ、本書の言葉には地に足のついた説得力があります。同じように「お金のことを考えると落ち着かない」という感覚を抱えている方にこそ、この一冊が届いてほしいと思います。

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