「数字に強い」のはセンスのある人だと思っていた
数字を使って考える、データをもとに意思決定する——こういった能力は、理系のセンスや生まれつきの数的感覚がある人に向いているもので、文系の自分には縁遠いスキルだと思っていました。ビジネスでの「数値化」という言葉は知っていても、それを自分が実践できるようになるとは考えていなかったのです。
しかし「数値化」は才能ではなく、正しい方法と習慣の問題であり、誰でも身につけられるスキルだということを、この本で初めて実感しました。それどころか、孫正義という経営者が最も重視するのはその「数字で考える力」だということが、本書を読んで明確に見えてきます。
この本が、仕事における「数字」への向き合い方を変えてくれました。
孫正義が「なぜ数字にこだわるか」がわかった
本書は、ソフトバンク元社長室長として孫正義のもとで直接働いた三木雄信が、孫社長から学んだ「数値化」の思考法と実践方法を解説した一冊です。PHPビジネス新書として、ビジネスパーソン向けに実践的な内容がまとめられています。
孫正義が会議やプレゼンで常に求めるのは「数字」です。「どのくらい?」「何%?」「いつまでに?」——あいまいな言葉ではなく、具体的な数字で語ることを徹底的に要求します。著者によれば、これは孫社長が「数字が好き」なのではなく、数字によってのみ現実を正確に把握し、意思決定の精度を高められるからです。
印象的な事例として著者が語るのは、孫社長が部下に対してまず「数字で説明しろ」と求め、数字が出てこない提案は一切取り合わなかったというエピソードです。「感覚」「雰囲気」「印象」では物事の実態は見えない、数字になって初めて比較・判断・改善ができる——そのシンプルな哲学が、ソフトバンクの意思決定の速さと精度を支えていたのです。本書にはさらに、日常業務で数値化の習慣を身につけるための具体的な練習方法についても解説されています。ぜひ本書で確かめてみてください。
「感覚」で語っていた場面が、数字に変わり始めた
この本を読んでから、自分の仕事の中で「感覚的に語っていたこと」を数字に置き換える習慣が少しずつ生まれました。「なんとなく良さそう」ではなく「前月比で何%改善したか」、「忙しい気がする」ではなく「週何時間がこのタスクに費やされているか」——そういった問いを自分に立てるようになったのです。
数字で考えることは、単に分析力の問題ではなく、「曖昧さと向き合う誠実さ」の問題でもあると気づきました。感覚に頼っていると自覚していない思い込みに、数字が光を当ててくれます。仕事の中で「それって本当か?」と問う回路が一つ増えた感覚があります。
ソフトバンク元社長室長が語る「孫流・数値化の哲学」
ソフトバンク社長室長として孫正義の直属で3年間働いた三木雄信が、孫社長の思考法の核心を語った一冊です。経営者の視点から「なぜ数字なのか」を説明することで、数値化の本質的な意味が伝わってきます。
この本を読まなければ、数字への苦手意識を「センスがないから」という言い訳で放置し続け、数値化という誰もが身につけられる思考スキルを諦めていたと思います。孫正義というビジネスの巨人の仕事術の核心に、こんなシンプルな哲学があったことに、読んで初めて気がつきました。
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