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新書嫁レビュー ・ 約 3 分

数学は「解くためのもの」ではなく「世界を読むための言語」だった

数学は学校を卒業したら使わないと思っていた

中学・高校で習った数学は、受験のための技術であって、社会に出てからは日常生活でも仕事でも使う場面はほぼない——そんな思い込みが、卒業と同時に数学から距離を置かせていました。方程式・関数・確率・三角比——こういったものは、実社会とは切り離された試験の世界のものだという感覚が根強くあったのです。

でもこの本を読んで、中学・高校数学に出てくる概念の多くが、実は現代社会のさまざまな場面で使われており、それを「道具として使いこなす」という視点を持っていなかっただけだということがわかりました。数学を「解く」から「使う」へと視点を変えるだけで、全く新しい世界が開けるのです。

この本が、数学への見方と向き合い方を根本から変えてくれました。

「中学・高校数学」が現実世界でこれほど機能していた

本書は、数学教育と実社会の橋渡しを専門に行ってきた京極一樹が、中学・高校数学の各概念が実生活・ビジネス・科学の現場でどのように使われているかを解説した一冊です。じっぴコンパクト新書として、難しい数式を最小限に抑えながら概念の「実用的な意味」をわかりやすく伝えています。

たとえば、「確率」は賭けや試験だけでなく、保険の仕組み・医療検査の解釈・リスク管理の基礎として使われています。保険料がなぜその金額なのか、がん検診の陽性率がどう解釈されるべきか——これらは確率の概念を理解しているかどうかで、全く違う判断ができます。医師から「陽性率95%のがん検診で陽性でした」と言われたとき、それが実際にがんである確率がどれくらいかを正しく理解できる人は少ないですが、確率の基礎知識があればそれが計算できます。

「関数・グラフ」も同様です。ビジネスのデータ分析、マーケティングのトレンド把握、株価や気象の変化の読み方——これらは関数とグラフの概念を実感として持つことで、より深く理解できます。学校で「y=ax+b」を解いた経験が、実は現実のデータを読む基礎力になっているのです。本書にはさらに、統計・三角関数・ベクトルが現実世界でどう使われているかについても詳しく解説されています。ぜひ本書で確かめてみてください。

「数学ができない」から「数学を使っていなかった」に変わった

この本を読んでから、「自分は数学が苦手だった」という思い込みが「数学を道具として使う発想を持っていなかっただけだ」という見方に変わりました。

解けなくてもいい。概念が何に使われているかを知るだけで、世界の見え方が変わります。数学は「試験を突破するための技術」ではなく「現実を理解するための言語」なのだということを、この本は示してくれます。

数学教育者が語る「中学・高校数学の本当の価値」

数学と実社会との橋渡しを専門とする京極一樹が、学校数学の各概念が現実でどう活きているかをわかりやすく丁寧に解説した一冊です。数学への苦手意識を持つ大人が、改めて数学の持つ豊かな価値と面白さを発見できる内容になっています。

この本を読まなければ、学校数学を「受験用の技術」として切り捨てたまま、現実世界を理解するための強力な道具の存在を知らずにいたと思います。

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ちょっとわかればこんなに役に立つ 中学・高校数学のほんとうの使い道 (じっぴコンパクト新書 76) 京極 一樹 / じっぴコンパクト新書

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