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新書嫁レビュー ・ 約 3 分

夫が「気が利かない」のは、脳の仕組みのせいだった

夫の行動は「思いやりのなさ」の問題だと思っていた

「なぜ夫はこんなに気が利かないのか」「どうして話を聞いてくれないのか」「感謝の言葉ひとつも言えないのか」——こういった不満を抱えながら、その原因を「性格」や「育ち」や「思いやりの欠如」に求めていました。あるいは「努力すれば変われるはず」と信じて、何度も伝えたり、諦めたり、を繰り返していた方も多いのではないでしょうか。

その思い込みのせいで、「伝え方が悪いのかも」「もっとうまく言えば変わるかも」と自分を責めたり、あるいは「変わらない夫は問題がある」と決めつけたりと、どちらにしても解決につながらない消耗を続けてきたような感覚がありました。

「男性脳」「女性脳」というと単純化しすぎという意見もあるかもしれませんが、本書が示すのはあくまで傾向の話です。それでも、そのような傾向がある脳が存在するということを知っておくだけで、余計な傷つきを避けられる場面は確かにあります。

この本がその消耗に、明快な出口を示してくれました。

夫の「わかってくれなさ」は、脳の構造の問題だった

本書が明かすのは、男性と女性の脳の働き方の根本的な違いです。著者の黒川伊保子はAI研究者として人間の脳と言語の関係を長年研究してきた専門家で、「夫が話を聞いていない」「アドバイスばかりする」「気が利かない」といった女性の不満の多くが、男性脳の基本的な特性から生まれていると説明します。

特に印象的だったのは「共感より解決策」という男性脳の傾向です。女性が「話を聞いてほしい」と思っているとき、男性脳は反射的に「解決策を出さなければ」と動く。この根本的なすれ違いが、「思いやりのない夫」という印象を生んでいるのです。「そこは解決策じゃなくて共感してほしかっただけなのに」——このよくある場面が脳の仕組みで説明されると、怒りではなく理解の気持ちが湧いてきます。本書にはさらに、夫の行動を変えるための具体的な対処法も書かれています。ぜひ本書で確かめてみてください。

夫への見方が、責める気持ちから観察の目に変わった

この本を読んでから、夫の「気が利かない」行動を見ても、以前ほど腹が立たなくなりました。「なぜこうなのか」という疑問に対して、「脳の特性だから」という答えが自分の中にあるからです。

責める気持ちから観察の目に変わることで、夫婦間の対話もわずかに変化しました。「どうして気づかないの」ではなく、「こういうときにこうしてほしい」と具体的に伝えることで、以前より夫が動いてくれる場面が増えたように感じます。人間関係は「相手を変える」のではなく「違いを知って対応を変える」ことで改善できる——本書はそのことを、脳科学のデータで示してくれます。怒りを手放して観察の目を持てるようになったとき、夫婦関係は少し、静かに変わり始めます。

AI研究者が解き明かす「男性脳の取扱説明書」

人工知能とことばの関係を研究してきたAI研究者であり、ベストセラー『妻のトリセツ』でも注目を集めた黒川伊保子が、脳科学の知見から男性の行動を読み解いた一冊です。感情論ではなく、脳のメカニズムで「なぜそうなるのか」を示すため、説得力があります。

この本を読まなければ、夫の行動を「性格の問題」として捉え続け、根本的な理解に至らなかったと思います。

「男性脳」「女性脳」というと単純化しすぎという意見もあるかもしれませんが、本書が示すのはあくまで傾向の話です。それでも、そのような傾向がある脳が存在するということを知っておくだけで、余計な傷つきを避けられる場面は確かにあります。

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夫のトリセツ (講談社+α新書 800-2A) 黒川 伊保子 / 講談社+α新書 800-2A

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