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新書嫁レビュー ・ 約 3 分

「まず基礎から覚えなければ使えない」というパソコンへの向き合い方が、上達を遅らせていた

「パソコンは基礎からきちんと学ばないと使えない」とずっと思っていた

パソコンを本格的に使いこなすには、まずコンピュータの基本的な仕組みを理解し、操作の基礎を一通り覚えてから応用に進まなければならない——そう思っていました。だから入門書を手に取っては第1章から読み始め、難しい用語が出てくるたびに気力が萎えて、結局ソフトをうまく活用できないまま過ごすという繰り返しがありました。

パソコンを使いこなせている人を見ると、何か特別な素養や事前知識がある人だと感じていました。でも実際のところ、彼らが何か違う「基礎」から入ったのかどうか、その違いの正体がわかりませんでした。

高橋三雄著『パソコン・ソフト入門』を読んで、そのアプローチの違いが見えてきました。

「すぐに結果を出すこと」が、パソコン上達の最短ルートだった

本書の基本的なスタンスは明快です。パソコン上達の道は、すぐに結果を出し、同僚や友人に示すことだというのです。仕組みの理解よりも、目的に合ったソフトウェアを見つけて使い始めること——それが本書のアプローチです。

ワープロ・表計算・電子メールといった定番ソフトから始まり、仕事・学習・趣味のそれぞれで使えるソフトウェアを著者は具体的に紹介します。「何をしたいか」から逆算してソフトを選び、まず使ってみて、結果として何かが成り立った経験を積み重ねていく。その実践の繰り返しが、どんな入門書より速く「使いこなせる感覚」を育てます。本書にはさらに、目的別にソフトを選ぶ際の考え方が体系的に整理されており、自分に合ったソフトを発見する方法を学べます。ぜひ本書でその全貌を確かめてみてください。

「まず使う」という順序を変えただけで、ツールへの関わり方が変わった

読む前と後で、新しいツールや技術への向き合い方が変わりました。以前は「理解してから使う」という順序にこだわっていました。でも今は「使いながら理解する」という順序で構わないという感覚が生まれました。

具体的には、新しいソフトを前にしたとき、まず一つの目的のために動かしてみるようになりました。失敗しても壊れるわけではない。エラーが出たらその場でその意味を調べる。「わかってから使う」より「使いながらわかっていく」方が、記憶への定着も早いと体感するようになりました。この姿勢は、ソフトウェアに限らず新しい知識や技術全般へのアプローチを変えてくれました。「理解してから行動する」と「行動しながら理解する」——この順序の違いが、習得のスピードと深さに大きな差を生むことを、繰り返し実感するようになりました。

コンピュータ教育の普及に取り組んだ実践家が語る、実践重視の入門

高橋三雄は岩波書店からパソコン関連の新書を複数刊行した著者であり、一般のユーザーに向けたコンピュータ活用の普及に長年取り組んできた実践家です。専門家ではなく、実際にパソコンを日常の仕事や学習に活かしたい人のための視点で書かれた本書は、「まず役立ててもらう」という一貫した姿勢が特徴です。理論の前に実践を置くという著者の哲学は、当時のパソコン普及の時代においても、現代においても変わらない有効性を持っています。

この本を読まなければ、「基礎から覚えなければ使えない」という思い込みのまま、ソフトウェアを恐れ続けていたでしょう。

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パソコン・ソフト入門 (岩波新書 新赤版 270) 高橋 三雄 / 岩波新書 新赤版

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