← ブックフィード 新書嫁 PR

新書嫁レビュー ・ 約 3 分

外国語は「勉強するもの」だと思っていた。言語学者が語る、学習の前に知るべきこと

外国語学習は「単語を覚え、文法を覚えること」だと思っていた

英語を学んだ期間は長い。それでも話せないという実感はずっとありました。単語帳を何冊こなしても、文法の参考書を読み終えても、実際の会話になると途端にできなくなる。「もっと努力が足りない」「継続が大事」と思い続けてきましたが、どこかで問い直す必要があることを感じていました。方法の問題ではなく、外国語というものへの理解そのものが間違っているのかもしれない——という疑問を、この本が静かに肯定しました。

外国語を「知識として理解する」ことと「使えるようになる」ことは全く別の道だ

渡辺照宏がこの本で語るのは、外国語学習の本質についての言語学的な考察です。1962年の刊行ですが、その洞察は今日の外国語教育にも直接当てはまります。著者が最初に問うのは「なぜ私たちは外国語が学べないのか」ではなく「そもそも外国語を学ぶとはどういうことか」です。

言語は「知識の体系」ではなく「運動の体系」です。自転車の乗り方を理論で習得できないように、言語は反復と実践によって身体に染み込ませることでのみ習得されます。学校の外国語教育が「読む・書く」に偏り、「聞く・話す」を軽視してきた背景には、言語を「知識として教えられるもの」として扱う誤解がありました。本書では各言語の特徴と習得の難易度、音声学の重要性、理想的な学習の順序についても論じられています。ぜひ本書で確かめてみてください。

「なぜできないのか」への答えが、「どうやればできるか」を変えた

この本を読んでから、英語学習の取り組み方が変わりました。「文法を理解した」と「文法が使える」は全く別のことだという確認が、積み上げてきた勉強の方法への見直しにつながりました。知識として習得したことを、実際に使えるものにするには、知識の量ではなく接触の質と量が必要だということです。

本を読んで「わかった」と感じた後、それを実際に使う練習をどれほどしてきたか——という問いは、英語だけでなくあらゆる学習に通じます。理解と習得の違いを意識するようになって、「知識として覚える」より「繰り返し使う」方向に時間の使い方が変わりました。60年前の言語学者が語った原則が、今も変わらず有効であるという事実は、外国語学習の本質が変わっていないことを示しています。

サンスクリット語・パーリ語の権威が語る、言語習得の本質

渡辺照宏(1907〜1977年)は神奈川県生まれ。東京帝国大学文学部印度哲学科卒業後、インド・スリランカに留学してサンスクリット語・パーリ語を習得した言語学者・仏教学者です。東京大学文学部教授として長年仏教学・インド哲学を担当し、「お経の話」「仏の教え」など一般向けの著作でも知られます。20以上の言語に精通した著者だからこそ語れる「外国語学習の本質」が、この薄い新書に凝縮されています。本書は1962年の刊行で、以来60年以上読み継がれています。

この本を読まなければ、「単語と文法を増やす」という方向で努力し続け、なぜ話せるようにならないのかを理解できないままでいたはずです。外国語を「知識」ではなく「技能」として捉え直すことが、学習の方法を根本から変えます。

渡辺照宏著『外国語の学び方』、購入はこちらから。

この本を手に入れる

外国語の学び方 (岩波新書 青版 462) 渡辺 照宏 / 岩波新書 青版

次の一冊 ── 同じ主題「言語」

外国語上達法 (岩波新書 黄版 329) 千野 栄一 / 岩波新書 黄版 書評を読む →

← ブックフィードに戻る

外国語の学び方 (岩波新書 青版 462) Amazon 楽天