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新書嫁レビュー ・ 約 3 分

近現代の「知の巨人」たちは、時代の問いにどう向き合っていたのか

思想家・哲学者の本は難しすぎて自分には関係ないと思っていた

近現代の日本の思想家や哲学者の著作というものは、難解な専門用語と複雑な論理で構成されていて、専門家以外にはとっつきにくいもの——そんな思い込みが長年ありました。「知の巨人」と呼ばれるような人物の仕事は、遠くから仰ぎ見るものであって、自分が能動的に関わるものではないという感覚があったのです。

でもこの本を読んで、近現代日本の100人の思想家・知識人が書いた200冊の本が、それぞれの時代が抱えた問いに向き合ったものであるという見方を知りました。時代の問いが見えると、難解に見えた本が急に「その時代の声」として読めるようになるのです。

この本が、近現代日本の思想への見方を変えてくれました。

100人・200冊から見える「近現代日本の知的地図」

本書は、文学・思想史研究者の和田博文と山辺春彦が編集した、近現代日本を代表する100人の思想家・知識人とその代表的な200冊をガイドする平凡社新書の一冊です。明治から現代まで続く日本の思想の流れを、人物と書物を軸に俯瞰的に捉えています。

本書の魅力は、思想家を「難しいことを考えた人」としてではなく、「その時代の問いに向き合った人」として紹介している点にあります。明治期の西洋思想との格闘、大正期の民主主義への希求、戦時期の苦悩と沈黙、戦後の復興と批判的思考——こういった時代の問いが、それぞれの思想家を生んだ文脈として見えてきます。

たとえば、福沢諭吉の「脱亜論」は明治の近代化競争の文脈の中で読むことで、柳田国男の民俗学は日本が急速に変化していく時代の「失われるもの」への眼差しとして読むことで、全く異なる深みが生まれます。丸山眞男が日本の封建的な「無責任の体系」を分析したのも、戦争という失敗の後に「なぜそうなったのか」を解明しようとした問いへの回答でした。時代背景を知ることが、書物を読む入口になるのです。本書にはさらに、各思想家の主要著作の概要と現代的な意義についても詳しく解説されています。ぜひ本書で確かめてみてください。

「難しい本」が「時代の声」として聞こえるようになった

この本を読んでから、思想書を手に取るときに「この人はどの時代の問いに答えようとしていたのか」という問いを持つようになりました。文脈を知ることが、難解な文章への入口を開いてくれるのです。時代の問いを知ることで、その答えを懸命に探した人の思考の跡が、今を生きる声として届いてくる——そういった読書の体験が、この本から始まりました。

思想の歴史は難しいものではなく、時代が変わるたびに人間が「どう生きるか」「社会はどうあるべきか」という根本的な問いに答え続けてきた豊かな記録だということを、この本は丁寧に教えてくれます。

文学・思想史研究者が描いた「近現代日本の知の全景図」

文学・思想史研究者である和田博文・山辺春彦が共同で編集した、近現代日本の思想家100人・代表作200冊を紹介するガイドブックです。日本の近現代を知的な側面から理解する入口として、幅広い読者に価値があります。

この本を読まなければ、近現代日本の思想家を「難しいことを言う人」として遠ざけたまま、そこに積み上げられた時代の知的格闘の記録を知らずにいたと思います。

※本記事にはアフィリエイトリンク(PR)が含まれます。

この本を手に入れる

近現代日本思想史 「知」の巨人100人の200冊 (平凡社新書1022) 和田 博文, 山辺 春彦, / 平凡社新書

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