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新書嫁レビュー ・ 約 3 分

「グレーゾーン」という診断のはざまで、多くの人が見えなくなっていた

発達障害は「診断された人の話」で、自分とは無関係だと思っていた

発達障害は、医師から正式に診断を受けた人が対象の話であって、「グレーゾーン」という概念は曖昧でよくわからない——そんな認識を持っていました。診断基準を満たさない限りは発達障害ではないというシンプルな二分法が、発達障害の理解を単純化させていたのです。

でもこの本を読んで、発達障害の「グレーゾーン」こそが、実は最も多くの人が当てはまる領域であり、診断の有無にかかわらず困難を抱えている多くの人が見えていない現実があるということがわかりました。

この本が、発達障害の理解への見方を根本から変えてくれました。

診断の「白黒」ではなく「グラデーション」として発達特性を理解する

本書は、精神科医・作家として発達障害の臨床と研究に長年携わってきた岡田尊司が、発達障害の「グレーゾーン」の実態と、その人たちへの適切な理解・支援のあり方を解説したSB新書の一冊です。

著者が指摘する「グレーゾーン」の問題の核心は、現在の診断基準が「黒か白か」の二値で人を分類しようとすることにあります。しかし実際の発達特性はグラデーションであり、診断基準のすぐ下にいる「グレーゾーン」の人たちは、ASDやADHDの特性を持ちながらも「正式な診断が出ないため支援の対象にならない」という宙ぶらりんの状態に置かれます。

グレーゾーンの人たちは、診断がないために自分が困難を抱えていることへの説明ができず、「努力が足りない」「わがままだ」と評価されることが多い現実があります。著者の豊富な臨床経験から得られた具体的な事例が、グレーゾーンにいる人々の内面をリアルに伝えてくれます。仕事でのミスが続く、人間関係がうまくいかない、集中力が続かない——こういった困難の背景に発達特性がある場合、正確な理解がなければ本人も周囲もひたすら「なぜできないのか」という問いで消耗し続けます。特性を正確に把握することが、適切なサポートへの第一歩になるのです。本書にはさらに、グレーゾーンの人が日常生活・職場・人間関係で困難を乗り越えるための具体的な方法についても詳しく語られています。ぜひ本書で確かめてみてください。

「診断の有無」より「特性の理解」が先だということに気づいた

この本を読んでから、職場や家族の中で「なぜこの人はこういった行動をとるのか」という疑問を持ったとき、「努力の問題」と判断する前に「特性の問題かもしれない」という視点を持てるようになりました。

発達特性はグラデーションです。その事実を知ることで、診断の有無にかかわらず、一人ひとりの特性に合った理解と関わり方を探せるようになります。「なぜこの人はこういう行動をするのか」という問いへの答えが変わると、関わり方が根本的に変わります。その変化は、当事者にとっても周囲の人にとっても大きな意味を持ちます。

精神科医が語る「グレーゾーン」の現実と希望

精神科医・作家として発達障害の臨床に長年携わってきた岡田尊司が、発達障害のグレーゾーンにいる人々の実態と、その人たちへの正しい理解と支援のあり方を解説した一冊です。

この本を読まなければ、発達障害を「診断された人の話」として切り離したまま、グレーゾーンという最も多くの人が当てはまる領域の現実を知らずにいたと思います。

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発達障害「グレーゾーン」 その正しい理解と克服法 (SB新書) 岡田 尊司 / SB新書

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