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新書嫁レビュー ・ 約 3 分

物理や化学を「わからないまま」にしてきた人へ

科学の理論は、文系の自分には縁のないものだと思っていた

ニュートンの法則も相対性理論も、名前だけは知っているけれど中身はさっぱり。学生時代に理科でつまずいて以来、科学は自分とは別世界の言葉だと思い込んで生きてきました。それでもニュースで最先端の研究が報じられるたび、本当は世界の仕組みがどう動いているのか知りたいのに、入り口が見つからない。わかったふりをして話を合わせる場面のたびに、心のどこかが落ち着かない。そんな小さな欠乏感を、ずっと抱えていた気がします。その引っかかりをほどいてくれたのが、大宮信光さんの『図解科学の大理論がよくわかる』でした。

「モノはなぜ真っすぐ落ちるのか」から始まる科学史

この本が面白いのは、いきなり数式を突きつけるのではなく、「モノはなぜ真っすぐ落ちるのか」「重い飛行機がなぜ宙に浮くのか」といった、誰もが一度は感じた素朴な疑問から入ってくるところです。本書ではニュートン力学から最先端理論まで、現代文明を支える科学の全貌を図解でたどっていきます。著者は、当たり前に思っている現象の一つひとつが、実は天才たちの長い格闘の末にようやく説明できるようになったものだと教えてくれます。落下も飛行も、かつては誰にも理由がわからなかった謎だったのです。たとえばリンゴが落ちることと月が地球を回り続けることが、まったく同じ一つの法則で説明できると見抜いた瞬間に、人類の世界の見方がどれほど変わったか。そうした転換点が、図とともに一つずつほどかれていきます。本書にはこのほかにも、力学から電磁気、相対性理論や量子の世界まで、世界を変えた大理論がどんな順番で積み重なってきたのか、その流れがより踏み込んだ形で描かれています。図を眺めているだけで、ばらばらだった知識が一本の線につながっていく感覚があります。ぜひ本書でその続きを確かめてみてください。

ニュースの見え方が変わった

この本を読んでから、科学のニュースとの距離が縮まりました。以前は宇宙やエネルギーの話題が出てくると、わからない単語が並んだ瞬間に読み飛ばしていました。今は「これはあの理論の延長にある話だ」と背景が思い浮かぶので、見出しを見ただけで内容のおおよその位置づけがつかめます。飛行機に乗って窓の外を眺めるときも、なぜこの巨大な機体が浮いていられるのか、その理屈を思い出してちょっと愉快な気持ちになる。子どもに「どうして空は青いの」と聞かれて言葉に詰まっていた場面でも、慌てずに筋道を立てて話せるようになりました。世界を動かしている法則が、遠い教科書の中の話ではなく、急に自分の生活と地続きのものに感じられるようになったのです。

図解だからこそ、苦手意識のまま終わらずにすんだ

この本に出会わなければ、私は科学を「難しいもの」として一生避け続けていたと思います。著者の大宮信光さんは科学評論家・科学ジャーナリストとして、長年むずかしい理論をやさしく伝える仕事を重ねてきた書き手です。だからこそ、専門家でない読者がどこでつまずくかを知り尽くした図解になっているのだと感じました。一つの理論を理解するということは、暗記することではなく、ものの見方が一段組み変わることなのだと、この本は静かに教えてくれます。理科に苦手意識を持ったまま大人になった、けれど本当は世界の仕組みを知りたい。そんな自覚のある方にこそ手に取ってほしい一冊です。

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図解科学の大理論がよくわかる: ニュートン力学から最先端理論まで世界を変えた科学の全貌 (日文新書 357) 大宮 信光 / 日文新書

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